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今月のメトロニュース
2020.6.5発行 No312  
特集 おすすメトロ 版元さんリレーエッセイ ステンドグラス

版元さんリレーエッセイ

二回目!
晶文社 取締役営業担当 片桐幹夫様

 長崎に出張すると、まずは長崎駅のメトロ書店へ行き、その後、時間があれば必ず立ち寄る場所があります。長崎駅から東へ、坂道を進むと、聖無動寺、福済寺という二つのお寺があり、お墓を過ぎた先で振り返ると、長崎の町を一望できます。立山(金比羅山)という所です。眼下に長崎港が広がり、浦上川を挟んだ正面の稲佐山には頂上付近まで家々が続いていて、「坂の町」長崎に来たことを強く感じさせてくれます。スーツと革靴のまま、往復40分程度。短いですが充実した時間です。

 新型コロナウィルスによる非常事態宣言が出ている今、長崎はおろか近所の公園に行くのもはばかられる日々ですが……こんな時だからお薦めしたいのが、今和泉隆行著『「地図感覚」から都市を読み解く』です。著者は、あたかも文章を読むように地図を読みます。その秘密はタイトルにある「感覚」です。本書はいくつかのポイントを通して、言語化しづらいこの感覚を見事に伝えており、日本地図学会より2020年学会賞を授与されています。 『「地図感覚」から都市を読み解く』

「日頃から“よくある大きさ”を認識しておくと、知らない場所でも規模感がつかめる」。著者が紹介する「感覚」の一例です。市街地図にはたいてい小・中学校が表示されています。校庭を含めた面積は、正方形に換算すると概ね100〜150m四方だそうです。学校を卒業してずいぶん経っていても、多くの人はこのサイズ感を体で覚えているのではないでしょうか。学校のサイズから、地図に表示されている他のものの大きさや距離、街全体のスケール感をつかむことができます。私も実際に試してみましたが、学校という物差しを一つ持つだけでリアルにその場所を想像できるようになることに驚きました。
このような「感覚の育みかた」が本書にはたくさん書かれています。遠くへの旅行ができない今、自宅の周辺を、子どもと一緒に地図を見ながら散歩してみるのも楽しいかもしれません。そうして地図感覚を育てておけば、コロナ禍を乗り越えて旅に出られるようになったとき、地図を見ながらの散策がもっと楽しいものになるでしょう。
STAY HOME の今、地図をにらみながら長崎の街を思い描き、近いうちにまたきっと立山へ、そしてメトロ書店の棚を見に行こう、と思っています。

【片桐幹夫様プロフィール】

1968年東京生まれ。出版社3社で営業として勤務、現在に至る。趣味はバイク、スキー、坐禅もちろん読書。

*編集部より
片桐様ありがとうございました。ぜひご来店をお待ちしています。
 来月は日本文芸社清水様からのリレー・三交社の小林様の予定です。お楽しみに!


 
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